XTC / The World Is Full Of Angry Young Men

Rag & Bone Buffet

Rag & Bone Buffet

 
今となっては本国よりも日本のほうが人気があるといわれるXTC。「裏ビートルズ」だの「ポップの職人」だのといろいろな異名があるだけあって、実に英国的でポップな(ポップスじゃなくて)音楽を作らせれば彼らの右に出るアーティストは現在はいないのでは、とまで思ってしまう。そう、私は彼らの大ファン。典型ですが、85年のトッド・ラングレンとのコラボレーションによる「スカイラーキング」をリアルタイムで体験して以来のファンです、それだけに今回どれを取り上げようが非常に悩みましたが、どうせ今後も彼らの曲を取り上げていくので、好きな順に取り上げることにしました。

で、この曲は83年のアルバム「ママー」の未発表曲で、後に「ザ・ラヴィング」のB面に収録された「超」マイナー曲。どうだ、参ったか!(笑)。アルバムでは編集盤「ラグ&ボーン・バフェット」に収録されました。こんな超マイナー曲なのに、クォリティは最高。もったいない…。XTCの曲ではアンディ・パートリッジよりも比較的コリン・ムーディングの作る曲の方が好きなのですが、この曲もコリンの作。6分の8拍子だけどハイハットの刻み方がスウィングっぽいのがミソで、それに合わせてピアノやベースがインプロヴィゼーションっぽく絡むというジャズ風味な曲。ところが一番目立つのはアンディの滑らかなギターの音色という不思議なナンバーになっています。XTCとしてはかなり異色のナンバーなのもアルバムからもれた原因でしょうか。

近作「アップル・ヴィーナス」「ワスプ・スター」はまさに円熟ともいうべき英国ポップの逸品になっています。初心者はまず「スカイラーキング」を買い、「ブラック・シー」「イングリッシュ・セツルメント」「ビッグ・エキスプレス」「オレンジズ&レモンズ」と聴いてみてください。おなかいっぱい幸せいっぱい胸はおっぱいになります。