SIMPLE MINDS / Promised You A Miracle

New Gold Dream (81-82-83-84)

New Gold Dream (81-82-83-84)

音楽性をコロコロと変えながらも、いかにも英国的、というシンプル・マインズはアルバム単位で聴くと実に面白いバンド。一般には85年の「ドント・ユー」の大ヒットで知られるようになったものの、あの曲は彼ら自身の作品ではないし、音楽性からいえば既に第3期とでもいうべき時代のもの。私の場合はいわゆる第2期、アルバムでいえば82年「黄金伝説」(ココリコとは関係なし)、83年の「スパークル・イン・ザ・レイン」の頃の印象が最も強いので、この頃の曲を紹介します。

元々はニュー・ウェーブの洗礼を受けたバンドですが、すぐにエレクトリック・ポップの道を志向し、そこそこの成功を収めていましたが、この第2期はそのエレポにファンク的な要素、さらにリズムに先鋭的な要素を加え出した時期(これはスティーヴ・リリーホワイトの影響大)。結果としてスケール感がエレポ期よりも各段にアップし、大らかさとかっこよさを備えるようになった時期です。

さて、今回紹介するのはその頃の大ヒットアルバム「黄金伝説」からの曲。独特なリズム感にうなるベース、効果的にバックを埋めるシンセ、そしてこの時期のもう一つの特色、ヴォーカルのジム・カーの情感溢れる声の魅力がうまく絡まった傑作。後の「スパークル・イン・ザ・レイン」の頃と比べるとまだ音に軽さのあるいわゆる80年代サウンドですが、演奏とヴォーカルのバランスの良さと曲自体の魅力がひき立った曲です。ジャケットもこの時期の彼らはかっこいいんですよね。