YMOの旧作が再発されるそうで、「
レコード・コレクターズ」誌でも特集が組まれていました。私が唯一持っている
YMOのアルバムは大ヒット作「ソリッド・ステイト・サバイバー」。定番の「
テクノポリス」「ライディ―ン」に、
ディーヴォの「サティスファクション」的アレンジが脱力の
ビートルズ・カバー「デイ・トリッパー」が入った代表作。
YMOの歩みについては「レココレ」を読んでいただくとして、日本発で
世界の音楽シーンに影響を与えた稀有な存在であることには変わりありません。今改めてアルバムを聴いてみると、
クラフトワークよりも
有機的で、
ニューウェーヴやニューロマのいろんなバンドやアーティストの顔が思い浮かびました。80年代初めの「洋楽的」と思っていた部分は何のことはない、
クラフトワークと
YMOの礎があってこそだったのかと思いました。彼らの極北にあって、同じく
ニューウェーヴに影響を与えたデニス・ヴォーヴェル(
ポップ・グループや
レインコーツで有名)あたりのダブだったと思うのですが、彼らのキャリアにおいて、彼やアンディ・パートリッジ(
XTC、当時ソロの「テイク・アウェイ」のダブ感覚が注目されていた)、さらにはビル・ネルソンや
トニー・マンスフィールドとも交流があったそうで、いよいよ
YMOの存在価値を再認識しました。
さて今回紹介するのはYMOの初期の傑作の一つ、坂本龍一作「ビハインド・ザ・マスク」。後にエリック・クラプトンがカバー、かのマイコー・ジャクソンもカバーを考えていたという名曲。二つのリフと中間部のメロから成り立つシンプルながら印象的な曲。この曲なんてヒューマン・リーグや、最近ならダフト・パンクあたりがやりそうな哀メロ炸裂の曲です。クラプトンのヴァージョンを残念ながら聴いたことがありませんが、カバーしたくなった気持ちというのは何となくわかる気が。