T-REX / Rip Off
- アーティスト: Marc Bolan / T. Rex
- 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
- 発売日: 1988/08/23
- メディア: CD
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Tレックスはご存知の通り一般にはデヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージックのようにグラム・ロックの代表的な存在とされており、私もそういうサウンドを想像していたのですが、誰とも違う独自性を感じました。もっとも孤高の存在であったからこそ今でも支持されているわけなのですが。
バックの音のシンプルさと名匠トニー・ヴィスコンティによるストリングスのアレンジ・音空間作りがその個性を支えていると思われますが、なかなか言葉で表現できないという点でも唯一無比の個性です。
このアルバムには「ゲット・イット・オン」「ジープスター」という大ヒット曲が収録されていますが、ほかにも「マンボ・サン」「コズミック・ダンサー」、そして今回紹介する展開がハチャメチャなラスト・ナンバー「リップ・オフ」といった印象的な曲が多く収録されています。とりわけこの「リップ・オフ」、妙にテンションの高いボランのヴォーカルとヴィスコンティの才気走ったアレンジが最も力強い形で絡まった曲。ある意味グラム・ロックの典型のような粘着感のある曲でありながら、テンションの高さとアレンジのおもしろさがそのあたりのジャンルをつきぬけるようなイメージを感じさせます。
既に数曲タイトルを羅列したように、曲のタイトルも非常にセンスを感じさせるアーティストでもあります。シングル・アーティストのイメージが強いボランですが、アルバム・アーティストとしてももっと評価されていいと思います。