THE SMITHS / Please Please Please Let Me Get What I Want

Louder Than Bombs

Louder Than Bombs


リアルタイムだったにも拘わらず、スミスは当時ほとんど聴いていませんでした。というより当時のギター・ポップと呼ばれる連中はほとんど飛ばしていたのは、英国的な暗さがイヤだったためです。以後、マンチェスター・ブームも当然のようにすっ飛ばしてしまったわけで、あれほどの人気を誇っていたスミスを聴いたのは彼らが解散してからのことになります。初めて買った彼らのアルバムが左のベスト盤で、思ってたよりも暗いわけでもなく、むしろ曲そのものはさらっとした感覚だったことに気づかされました。それは一つにジョニー・マーのセンスが大きいことも後になってわかったことでしたが。

というわけで敬遠してきた彼らの曲の中で一番気に入ってしまったのがこの実に短い(1:50しかない)小曲。ところがこれは間違いなく80年代のイギリスにおいても10本の指に入る名曲。このセンチメンタリズムあふれるメロディと豊かなアコースティック・ギターオーケストレーションの見事さはたまりません。1分50秒という長さはこの曲の構成から考えるとこれ以上長くもできなかったんだろうと納得してしまいます。

これも後になって知ったことですが、スミスのファンの間でもこの曲は名曲とされていたようです。さらになんとドリーム・アカデミーが当時カバーしたということで、ミュージシャンの間でも愛された名曲なのでした。