JOHN COUGAR MELLENCAMP / Rain On The Scarecrow

Scarecrow (Rpkg)

Scarecrow (Rpkg)

アメリカではこのジョン・クーガー・メレンキャンプだとかトム・ぺティ、ボブ・シーガーのように、シンプルであまり洗練されていないロッカーは根強い人気を持っていますね。私のようなヒネクレ系ポップが好きなブリティッシュ派からすると不思議でもあるのですが、この手の音楽はシンプルゆえに曲が良くないとほとんど演歌のように様式化してしまうので、やはり人気を保っている人たちというのは、良いソングライターでもあります。
メレンキャンプは85年当時すでに「ジャック・アンド・ダイアン」「青春の傷あと」「ピンク・ハウス」と大ヒットを飛ばしていたビッグ・ネームでしたが、日本の音楽マスコミではスプリングスティーンブライアン・アダムスらと比較してもほとんど無視されていた状態だったように記憶しています。で、リアルタイムでは「ロンリー・オル・ナイト」「ロック・イン・ザ・USA」「スモールタウン」といったシングルがことごとく大ヒット。あまり好きなタイプの音楽性ではありませんが、確かにキャッチーで聴きやすい。
さて今回紹介するのは、その大ヒット中に出た4枚目のシングルカットで、タイトル曲の「スケアクロウ」。前3曲と比べると明るさは消え、アメリカの農家の厳しい状況を描いた歌詞(かなり衝撃的な内容)に合わせたかのようなハードでマイナーな曲調は、非常にインパクトがありました。ところが面白いことにこのシングルはあまり注目されることがありませんでした。この曲は本当に名曲です。イントロのかっこ良さは80年代のアメリカン・ロック・ナンバーの中でも指折りではないでしょうか。