デュラン・デュランの
ジョン・テイラーと
アンディ・テイラー発案によるプロジェクト、
パワー・ステーションのカバー2曲。まずは
Tレックスの「ゲット・イット・オン」。ボウイや
ロキシー・ミュージックといった
グラム・ロックに大きな影響を受けてきた彼ららしい選曲で、オリジナルと比較するとロック色は非常に濃い。オリジナルのどこか気だるい色気はないけれど、このシャープさは文句なしにかっこいい。
ロバート・パーマーのヴォーカルも見事なら、アンディのギターソロも見事。この人がこんなにギターが上手かったとは誰が想像したでしょうか。だってそれまでデュランではほとんどギターソロを弾かず、音も小さくミックスされて(これは
ニック・ローズの策略とみた)いたので、先行シングルの「サム・ライク・イット・ホット」のギターソロの名演とともに印象に残りました。余談ですが、当時この曲のアレンジをもとに
近藤真彦が「Baby Rose」という曲を歌っていたのを思い出します。当時は洋楽のアレンジをパクった歌
謡曲が本当に多かったなぁ。
もう1曲のカバーはなんと
アイズレー・ブラザーズの代表曲「ハーヴェスト・フォー・ザ・ワールド」。オリジナルはアコギの音とエレピの音が印象的な爽やかな曲。同胞感覚の強い歌詞も印象的で、アイズレーの曲の中ではこれがイギリスで一番ヒットしたそう。
パワステ・ヴァージョンはやはりロック色がギンギンで、オリジナルのコードをギターリフとしてアレンジした、これまた
アンディ・テイラーのかっこいい演奏。なんとヴォーカルも彼が担当、やや硬質な声ながら結構味のあるヴォーカルを聴かせます。
ということで、
パワー・ステーションというとデュラン以上に
ロバート・パーマーやシックのトニー・トンプソンが注目されてきましたが、実は
アンディ・テイラーの実力が認識できるためのプロジェクトだったのです。いや、マジでかっこいいっす。