WHAM! / Blue

Fantastic

Fantastic

私の本格的な洋楽体験初期に夢中になったのがこのワム!。ご存知ジョージ・マイケルが世に出るために存在した(といってはアンドリューに失礼か?)デュオ。彼らのルーツはもろモータウンなのですが、一方でディスコ・ミュージックの洗礼を受けた世代のようです。デビュー・アルバム「ファンタスティック」ではミラクルズのディスコ・クラシック「ラブ・マシーン」や、アルバム「メイク・イット・ビッグ」でのアイズレー・ブラザーズの「イフ・ユー・ワー・ゼア」といったカバー曲にそのあたりが窺えます。今回取り上げた「ブルー」はディスコ・ミュージックを背後に感じさせるスロー・ナンバー。

ワム!に詳しい人でもあまり知らないと思われるこの曲は、後に中国での(!)ライヴ・ヴァージョンも発表されましたが、オリジナルはシングル「クラブ・トロピカーナ」のB面に収録されたスタジオ・ヴァージョンで、アルバム「ファンタスティック」のカセットにもボーナス・トラックとして収録されました。が、不幸なことにこの曲はCDアルバムに収録されずに今日に至っています。スタジオ・テイクよりもライヴ・テイクが収録されている場合が多いというのはホール&オーツの「ウェイト・フォー・ミー」(これも超名曲)と似ています。

この曲自体は至って地味で、歌詞も繰り返しばかりなのですが、タイトル通りどこか寂しさを感じさせるまさに「隠れた名曲」。数年前に出た「クラブ・トロピカーナ」のシングルCDに収録されていますので、興味のある方はがんばって探してみてください。

こういう曲を紹介できる機会を持てた、というのは私にとってもとてもうれしいことですね。これからも「隠れた名曲」をご紹介し続けます。お楽しみに!