BLUR / Clover Over Dover

Parklife

Parklife

ブラーの偉さというのは、あのブリット・ポップ・ブームにあっさりと見切りとつけたところ。彼らはあのブームの中でも実力的にも抜きん出ていましたし、そのままあの路線を突き進んでも間違いなくトップバンドとしてやっていけたと思うんですが、見事にその期待を裏切りつつ先を進んでいます。

そういうわけで今回は数多い彼らの名曲の中でも、ブリット・ポップ時代の、さらに隠れた名曲を紹介します。大ヒット作「パークライフ」の中でもひたすら地味ながら、現在のブラーでは絶対にやらないようなリリカルな小品。それがこの「クローバー・オーバー・ドーヴァー」。タイトルからしてロマンティックでいいですね。ハープシコードから始まる美しいメロディが印象的。これでデーモンのクソヘタ・ヴォーカルがなかったら(あとは自粛)。

アルバム「パークライフ」はとにかく様々なタイプの楽曲が入っているので、それだけで十分楽しいのですが、もっともブラーがビートルズ的だった作品でもあります。ライバル・オアシス(という言い方も今は昔ですな)の「モーニング・グローリー」が愛されるのも同じ理由。このてのアルバムは必ずエポックメイキングとなる曲が入っていて、前者なら「ガールズ&ボーイズ」、後者なら「ワンダーウォール」ですが、どうしてもその中で埋もれてしまう優れた小品があります。それが「クローバー〜」であり、「キャスト・ノー・シャドウ」だったりします。こういう曲は埋もれて欲しくないですね。単品では地味だがアルバムの流れを作る大切な曲。そういった曲を今後も紹介していきます。