HEAVEN17 / Let Me Go

Luxury Gap

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ヘヴン17は先週紹介したヒューマン・リーグから分裂したプロジェクトBEFが通常運営のバンドとして結成されたものです。楽器が弾けず、歌が下手な点はヒューマン・リーグと同じですが、ポップ化を志向し「エレポップ」の道を開拓したヒューマン・リーグと異なり、よりマニアックな凝ったアレンジをもとに「エレクトリック・ファンク」を創造したのが彼ら。しあたがって後のシーンに与えた影響というのはどちらも結構大きいのです。ヒューマン・リーグが後のニュー・ロマンティックに影響を与えたとすると、ヘヴン17は一方でレベル42(バンド名も似てる)などのエレクトリック・フュージョン、もう一方では後のハウスなどに影響を与えています。

ヒットの点ではヒューマン・リーグの方が先に売れたばかりかアメリカでもブレイクしていますが、小ヒットながら評価の高いシングルを次々と生み出しています。この曲は彼らのセカンドアルバムの先行シングルですが、独特の哀愁を帯びたメロディーラインにクールなアレンジは実にスリリング。この次のシングルではいい意味で開き直ったスーパー・ポップ・ファンクの名曲「テンプテーション」をついに大ヒットさせます。後にリバイバルヒットもしますが、彼らの典型的な音楽性を表す曲としてはこの「レット・ミー・ゴー」の方に軍配を上げます。