THE JAM / Slow Down

In the City

In the City

正直言えば、ジャムというかスタイル・カウンシルというか、つまりポール・ウェラーはちょっと苦手なタイプ。ルックスはかっこいいと思うんですが、あの声があまり・・・。
決して上手いタイプではないし、まあ誰もそれを求めちゃいないんでしょうが、ヴォーカリストとしてもプレイヤーとしても、そしてソングライターとしてもなんだか中途半端な感じがする人、という印象があります。
モッズからモータウン、スタックスへ、さらにハウスまでと音楽的に転々とスタイルを変えつつも、器用さを感じさせない無骨さがこの人の魅力なんでしょうが、やっぱりよく分からない人です。ただ、ジャムについてはパンクだと思ったことはありません。だからこの時期のバンドとしては十分に鑑賞に堪え得る魅力は持っていると思います。
そういうわけで、むしろギミック抜きのストレート勝負であるジャムの1stが、私としては一番楽しめるというわけでしょう。で、この1stはカバーの選曲もヒネリがないし、もろザ・フー影響直下の音ではありますが、上記のような理由でゆえに聴きやすい。
「スロー・ダウン」はビートルズもカバーしたラリー・ウィリアムズの曲で、スピードは速い速い!この曲に関してはオリジナルやビートルズよりもジャムのヴァージョンがベストだと思います。
他にも「バッドマンのテーマ」や「アート・スクール」など、初期衝動としかいいようのないこの時期のパフォーマンスやパッションこそ、今の若いバンドに欲しいテイストなんですが。