PRINCE / Do Me,Baby

CONTROVERSY

CONTROVERSY

意外なことなんですが、プリンスを取り上げるのは初めて。このジャケ、かっこいいでしょう? 81年作の「戦慄の貴公子」より、「ドゥ・ミー・ベイビー」。

プリンス・ファンにとっては初期の名バラードであるこの曲を最初に聴いたのは、実はメリサ・モーガンによるカバー。地味な曲だなとしか当時は思わなかったんですが、本家を聴いてこの曲の良さを痛感。

プリンスの場合、他人に提供した曲やカバーも含め、完全に自演の方が勝っている特徴を持っています。作者だから当たり前といえばそうなのかもしれませんが、一般に複数のアーティストなりのヴァージョンがある場合、大抵は最初に聴いて馴染んだ方が好きだったりする(たとえば私の場合、シカゴの「長い夜」は絶対にアルバム「18」のリメイク版の方が好きなのはそういう理屈)もんですが。シンニード・オコナーが大ヒットさせた「ナッシング・コンペアズ・トゥ・ユー」もプリンス版の方がシンプルなのに情感があって好き。

そう、プリンスの魅力は、シンプル(でも実は凝っている)に聴かせるのに情感がたたえられている(というよりドロドロ)ところにあると感じています。それが非常にわかりやすいのが「ドゥ・ミー・ベイビー」であり、「リトル・レッド・コルヴェット」「ポップ・ライフ」「イフ・アイ・ウォズ・ユア・ガールフレンド」などの私のお気に入りの曲だったりします。

というわけで、プリンス=粘着と感じる方は、純粋にバックだけきっちり聴いてみてください。


ところでプリンスは58年生まれ(昭和じゃないぞ)なので、今年で47歳。この曲を作ったのが23歳。早熟だなぁ。