ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA / Mr.Blue Sky

Out of the Blue

Out of the Blue

新作「ZOOM」が好評のエレクトリック・ライト・オーケストラですが、今日はちょうど大雨が降っていますので、これを吹き飛ばすような曲をご紹介致します。

ELOの全盛期といえば「フェイス・ザ・ミュージック」から「ディスカバリー」までの70年代になるのですが、本作が収録された「アウト・オブ・ザ・ブルー」は入魂の2枚組で、彼らの作品の中でも大ヒットした作品です。何をかくそう、私が本策を聴いたのは3年前のことですが、とにかく感動して何度も何度も聴きまくりました。こういう経験はXTCの「スカイラーキング」以来のことでしたが、このアルバムにひかれた理由は、圧倒的なコンセプト性とポップ感覚にあると思います。この「ミスター・ブルー・スカイ」は、アナログでいえばC面のラストナンバーにあたる曲ですが、この面は「雨の日のコンチェルト」と題されており、「スタンディン・イン・ザ・レイン」「ビッグ・ホイールズ」「サマー・アンド・ライトニング」、そして「ミスター・ブルー・スカイ」とつながるわけです。雨の音が止んで、軽快なピアノの連打とドラムのフィル・インで始まるこの曲は、タイトル通り爽快な晴れの日を思わせます。

シングルとしてもヒットしたこの曲ですが、この曲の本当の素晴らしさは構成力にあります。ロイ・ウッドがいたころの「10538オーバーチュア」のような複雑さとはまた違った、いかにもジェフ・リン的なわかりやすくてスムーズな曲展開は、まさにポール・マッカートニーの遺伝子を受け継ぐもののように感じられました。

それにしても発売当時は2枚組ですが、CDなら2000円以下で買える、というのはなんと幸せな時代なんでしょう。買え!!