MADONNA / Pretender

Like a Virgin

Like a Virgin

才能は以前から高く評価していましたが、「好きか」と言われるとなかなか判断がつかなかったのがこのマドンナ。特にブレイクとなったアルバム「ライク・ア・ヴァージン」はプロダクションの質の高さの一方で、あくまでアイドル・ポップの域を出ない曲とのバランスの悪さがどうしても耳についていました。タイトル曲や「マテリアル・ガール」「エンジェル」「ドレス・ミー・アップ」といったシングル曲がそのバランスの悪さが顕著に感じられたものですが、ところがある時をきっかけに、シングル曲以外の曲にそのバランスの良さがあることに気づきました。その曲は一つは「シュ・ビー・ドゥ」、そしてもう1曲がこの「プリテンダー」。

とにかく曲が良い。そしてアレンジがいい。さらにヴォーカルの緩急がいい。次作の「トゥルー・ブルー」以降から見られる彼女のヴォーカル力の片鱗がこの曲にうかがえます。なんとなくせつないポップ感覚は最近のマドンナには見られないだけに、この頃の魅力も捨てがたいものがあります。

このアルバムを何度も聴いた方は多いと思いますが、今一度この曲に注目してみてください。