ADAM ANT / Apollo 9

motogakusei2005-05-05


ドンドコ・リズムのアダム&ジ・アンツの時代からソロに転向してからというもの、アダムはシンプルなロカビリー&ロックンロールを指向します。それは大ヒットした「グッディ・トゥ・シューズ」にも窺えますが、人気が下降しだしたこのソロ3作目のジャケットが象徴しています。「80年代のプレスリー」を目指していたのかな?

何はともあれ、当時このジャケットが大好きで、アナログ盤で手に入れました。そのときはアダム&ジ・アンツ自体を聴いたことがなかったんですが、後で聴いてみると基本的な構造(つまりあのドンドコリズム)は同じでした。イギリスでもそこそこ売れたようで、ここからカットした「アポロ9」「ヴィヴ・ル・ロック」もヒット、なんとあのライヴ・エイドにも出演します。

さて今回紹介するのは、その久々のヒットとなった「アポロ9」。はっきりいって実にキワモノくさいといいますか、お子様的とでもいいますか、まあとても正統派ロッカーとはいえない曲なんですが、とにかくアッパーでハイになりそうなダンス・ロック・チューン。アンツ時代からのパートナー、マルコ・ピローニのマカロニ・ギター(?)も冴え渡る楽しさいっぱいの曲。その他の曲も同じ構造なので、安心して聴けます。

しかし、何だな、この人本当によく頑張ってるなと思います。80年代アタマにあれほどのブームを巻き起こし、90年代に入ってからも「ルーム・アット・ザ・トップ」をアメリカでもヒットさせ、アルバムは常に「そこそこ」売れてるわけですから。ここまで芸人根性に徹した活動というのはハタから見ていてスカッとします。ちなみにあの音楽評論家、今泉恵子(通称スヌーピー)さんが大のひいきにしていたのが何を隠そうニック・カーショウとこの人でした(笑)。ただのミーハーというわけでもないのね。