MICHAEL JACKSON / Rock With You

Off the Wall (Spec)

Off the Wall (Spec)

マイコーはもちろん自分で作曲もし、素晴らしい作品を残していますが、曲との相性の点でロッド・テンパートンの作品が一番マイコーと合っているような気がします。大ヒット作「スリラー」でいえばタイトル曲、「ベイビー・ビー・マイン」「レディ・イン・マイ・ライフ」がロッドの作で、その前のアルバム「オフ・ザ・ウォール」でいえばタイトル曲、「ディスコで燃えて」、そして今回紹介する「ロック・ウィズ・ユー」。彼の曲はある意味突飛なところがなく、オーソドックスで完成度の高さを求める傾向があります。したがってマイコーの方も無理な発声や奇声(?)が少なく、ブラコンぽいスムーズな歌唱法になります。イノベイターとしてのマイコーよりも、優れたヴォーカリストとしてのマイコーに魅力を感じる私のような人間にとっては、この「ロック・ウィズ・ユー」が最高傑作に感じられます。

そういう意味では「スリラー」よりもこの「オフ・ザ・ウォール」の方がアルバムとしてもとっつきやすく、単純に音楽性だけからいえばこっちの方がポピュラリティを持っているように思います。「スリラー」の場合は例えば長編のPVやムーンウォークに代表されるダンスといったヴィジュアルの魅力の要素も多いためでしょう。

ルックスもまだまだ黒人然としたこの頃の方が先入観なく自然にマイコーを受け入れることができると思います