THE MONKEES / Listen To The Band

Greatest Hits

Greatest Hits

ようやくというか、モンキーズも冷静に語られるようになりました。リアルタイムでは「楽器が演奏できない」だの、「ドン・ガーシュナー(モンキーズを企画した音楽界のドン)のあやつり人形」だのという散々な評価をされてきたため、純粋にその音楽性を語られてこなかったのは仕方のないことではありました。その後、マイク・ネスミスがソロで音楽シーンに重要な役割を果たしてきたこともあって、やっと再評価されるようになったと思います。

モンキーズといえばボイス&ハートやキャロル・キング、ジョン・スチュワートやニール・セダカといった職業的ソングライターのすぐれた作品が思い浮かぶのですが、今回紹介するのは前述の重要人物、マイク・ネスミスによるオリジナル曲「すてきなミュージック」です。シンプルで短い曲ながら各所に細かな工夫が見られるモンキーズ後期の傑作と呼ばれる作品で、私も大好き。マイクはのちのカントリー・ロック・シーンに多大な影響を与えているのですが、本作ではカントリー・フレーバーはほとんど見られません。あくまでモンキーズ路線の延長上にある作風ですが、よくできた爽やかな曲です。

ほかにもモンキーズはなんといってもシングル・アーティストだったので、シングルに優れた作品が多いのです。「恋の終列車」「アイム・ア・ビリーヴァー」「ステッピン・ストーン」「恋はちょっぴり」「プレザント・ヴァリー・サンデー」「デイドリーム・ビリーバー」「素敵なヴァレリ」など枚挙にいとまない傑作が目白押しです。そんな彼らの魅力を知るにはなんといってもベスト盤が最適なのでお試しを。