GENESIS / It's Gonna Get Better

Genesis

Genesis

80年代を知る洋楽ファンにとってはこのアルバム「ジェネシス」よりも続く「インビジブル・タッチ」でしょうが、英国好きとしてはまだまだプログレ風味の強い(というより欧州風味)本作の方が好きなのです。

ヒットした「ザッツ・オール」(シンプルなバックビートが最高)は勿論、ヒットしなかった「ママ」(よくこんな重い曲をシングルカットしたものです)の重厚さ、そしてラストを飾る印象深い「イッツ・ゴナ・ゲット・ベター」。力作の名にふさわしい傑作でした。

特にこの「イッツ・ゴナ・ゲット・ベター」は初めてこのアルバムを聴いたときから大好きな曲で、中学時代から夜寝る前のBGMで使っていました。長い夜から白々と明けていく夜明けをイメージさせる曲で、その雰囲気が悩み多き青春時代のBGMとして機能していたのかもしれません。

というわけで、私にとってのジェネシスピーター・ガブリエル時代の「フォックストロット」でも「眩惑のブロードウェイ」でも、脱退後の「そして三人が残った」でも「アバカブ」でも「インビジブル・タッチ」でも(しつこい)なく、この「ジェネシス」なのです。しかしほんと、フィルって完成度の高い曲を作っていますね。