HUEY LEWIS & THE NEWS / Naturally

Fore

Fore

人間の声の魅力を感じたのはヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのアカペラを聞いたのが初めてだったと思います。彼らの一般的なイメージは「ハート・オブ・ロックンロール」に代表されるダイナミックなアメリカン・ロック・バンド、といったものでしょうが、彼らのハーモニーの美しさや「ハート・アンド・ソウル」のカバーに代表される、どこかイギリスのテイストを持ったメロディー志向(何しろコステロのバックを務めたことがあるくらいですし)にももっと注目してほしいところ。

さて大ヒット作「スポーツ」に続く「FORE」も、シングル「スタック・ウィズ・ユー」「ジェイコブズ・ラダー」の大ヒットに支えられ、好セールスを記録していましたが、その収録曲のなかでも彼らの特質をもっとも表しているアカペラがこの「ナチュラリー」。とにかく曲がいい。ちょっと甘酸っぱい感覚がなんともいえない。アルバムとしての楽しさ(あえて彼らの場合「完成度」とは言いたくない)は「スポーツ」が上ですが、この曲が入っているがゆえに「FORE」も捨てがたい魅力を持っています。

ナチュラリー」では聴けませんが、彼らのもう一つの魅力はヒューイのハーモニカ。ほんと、聴きどころの多い良いバンドです。もう一度ぜひ復活して欲しい80年代を代表するバンドでもあります。