SCRITTI POLITTI / The Word Girl

Cupid & Psyche 85

Cupid & Psyche 85

80年代にニュー・ウェーヴ、ニュー・ロマンティックスを経験した洋楽ファンにとってもスクリッティ・ポリッティの新鮮さはすぐに感じられたはず。今になって思えば、その新鮮さはR&Bの要素にヒップ・ホップやダブをミックスし、深いエコー処理を施した音作りにあったと分析できますが、「ウッド・ビーズ」「アブソルート」「ヒプノタイズ」ときて、この「ザ・ワード・ガール」「パーフェクト・ウェイ」といったシングル&12インチ・ミックスの衝撃度は凄まじいものでした。

ダンス・ミュージックとしての完成度、グリーンのヴォーカルも含めた個性はいまだに唯一無比のものだということは、20年近くを経た今でもこの「キューピッド&サイケ85」というアルバムが名作扱いされる理由になっています。

曲として好きなのは何と言っても「パーフェクト・ウェイ」ですが、このレゲエをベースとした「ザ・ワード・ガール」のクールさはやはり捨てがたく、この名作アルバムのトップを飾るにふさわしい曲だと思います。よーく聴くとスカスカなバックなのですが、このダブ感覚の上手さは逆にそのスカスカさから広がりすら感じさせます。

このアルバム以降、彼らは長い休息期間に入りますが、80年代をこの1作だけで総括し、超越した感すらあります。まずはさておき必聴の一枚。