CHARLIE SEXTON / Hold Me

ピクチャーズ・フォー・プレジャー

ピクチャーズ・フォー・プレジャー

チャリ坊ですよ、チャリ坊。東郷何某をはじめ、今は亡き「ミュージック・ライフ」のスタッフがプッシュしまくったにもかかわらず、イマイチなヒット(日本でもアメリカでも)に終わったあのチャリ坊です。洋楽全盛期であれほど露出したわりにはなぜか日本でもそこそこだったというのは、やはり「ミュージック・ライフ」のはしゃぎっぷりにさすがの女性洋楽ファンも萎えたんでしょうね。アメリカではこのデビュー・アルバムは15位(年間チャート63位)なので、新人としては立派な結果だとは思いますが、レコード会社のMCAのプロモやMTVでの露出の状況を思うと、もうちょっと売れても良かったなとも思います。

1stシングル「ビーツ・ソー・ロンリー」や「インプレスト」など、いい曲もある(しかも自作なんだから立派なもんだ)んだけど当時絶好調のプロデューサー、キース・フォーシー(当時はビリー・アイドルで当ててた)の音作りに埋もれてしまった感も。その中である意味、最もチャリ坊の魅力を引き出したのは、皮肉なことにカバー曲でした。それがこの「ホールド・ミー」。シングルとしてもカットされたはずですが、その頃にはすでに盛り上がりも沈静化してました。

ライナー(これも東郷氏)でもさすがにアイドル扱いで、これが誰のカバーかすらちっとも情報がないところに寂しさを感じるわけですが、ほんとのオリジナルは30年代の曲で、58年に改作された曲らしい。クレジットはリトル・ジャック・リトル、デヴィッド・オッペンハイム、アイラ・シュースターとなっています。もしこれが本人のチョイスだとすると、実に渋い。

チャリ坊は今でもセッションマンとして活躍中とのこと。まだまだ年代的にも30代半ば。がんばって欲しいですね。