HOOTERS / South Ferry Road

Nervous Night

Nervous Night

デビュー当時のシンディ・ローパーのヒット曲に関与していたのが、ロブ・ハイマンとエリック・バジリアンの二人。彼らが組んでいたバンドがこのフーターズで、当時から曲作りの確かさと実力は評価されていました。彼らはある意味で典型的なアメリカン・ロックのバンドではあったはずですが、どこか欧州的なメロや哀愁のあるアレンジ(フーターとシンセの音のせい)が、ビートルズを経由したパワーポップ(例えばラズベリーズあたり)の直系といったイメージを持っています。彼らにはおよそ駄作はありませんが、なんといっても魅力的なパワーポッパーぶりが聴けるのは1st。

今回取り上げたのは爽快感あふれる「南フェリー・ロード」ですが、シングルヒットした「朝までダンス」「デイ・バイ・デイ」もさわやかですし、後の「ジョニーB」にもつながる「オール・ユー・ゾンビーズ」のシリアスさ、堕胎をテーマにした美しい「果てしなき夢」、アレンジが印象的な「ドント・テイク・マイ・カー・アウト・トゥナイト」、ラヴのカバー「シー・カムズ・イン・カラーズ」もいい。

80年代のパワーポッパーといえば、スターシップやハート、Mr.ミスターあたりも近い音楽性ですが、フーターズの場合はとにかく曲がしっかりしてます。関係ありませんが、エリック・バジリアン(ジャケの右から二人目)は鹿賀丈史(「料理の鉄人」の人ね)に似ています。