FOREIGNER / Urgent

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リアルタイムではあの「アイ・ウォナ・ノウ」がフォリナー初体験だったわけですが、甘アマなあの曲はさすがにちょっとついていけないものがありました。とはいうものの、嫌いというのではなく、あまりのソツのなさにつまらない、心に残らないというのが正直なところでした。チャート・ファンにはおなじみの悲劇の2位「ガール・ライク・ユー」が2度目のフォリナー体験。これもソツのなさにいい曲だとは思うけど・・・といったところでした(ちなみに浜田省吾の「Lonely」って「ガール・ライク・ユー」に似すぎ)。3度目の体験は彼らの初ヒット「ホット・ブラッデッド」で、映画「ヴィジョン・クエスト」のサントラに収録されていました。というように遡って聞く機会があった彼らの音楽は「いい曲だけど、ソツがなさすぎ」という評価以上に感想が持てませんでした。言うまでもなく、彼らの実力や完成度の高さが若かった私にそう思わせたがゆえでした。

ところが、あるときたまたま聞いたこの「アージェント」。ソツのなさは変わりませんが、とにかくアレンジがかっこよかった。イントロのシンプルさ、スタッカートで刻むようなリフ(このテの曲には弱いんです)と何よりもかっこよかったのはあのサックスの音。クレジットを見るとマーク・リヴィエラとジュニア・ウォーカーという二人のサックス・プレーヤーを贅沢に使っており、そのスリリングさに圧倒されたものです。

蛇足ながらこの曲が収録されたアルバム「4」のジャケットも大好き。フォリナーのアルバムは駄曲がないので、落ち着いて聞く音楽としては良質なものだと思います。