RADIOHEAD / Everything In It's Right Place

Kid A

Kid A

印象がつかめなくて、つい何度も聴いてしまうアルバムというのがあります。私にとってレディオヘッドはそういうバンド。ほとんど現在の音楽シーンに乗り遅れている私ですが、それでも彼らの凄さみたいなものはよくわかります。マンチェスター・ブーム以来の轟音型バンドに嫌気がさしていることが現在の英国音楽シーンに興味が持てなくなった理由ですが、レディオヘッドはそういう枠組みみたいなものはあっという間に超えてる気がします。

多くの、あるいは古くからのファンがとまどっているように、この「キッドA」というアルバムはどう評価していいのかわからないものです。しかしそれゆえに何度も聞いてしまう。そしていいか悪いかという価値判断は別にして、こんな刺激的な音が作れるバンドは唯一無比であることに気づかされます。私の場合、名作の地位に既に君臨している「OKコンピューター」さえ評価が難しいと思っているわけですが、とにかくこの2作は聴くたびに新たな発見があります。

ポップかロックかという軸では語れないけれど、こういう作品が話題になり、セールスも上げているというのは私にとっては非常に好ましい現象。久々に現在のシーンに興味が持てるきっかけになった大事なバンドです。今回取り上げた曲は「キッドA」のオープニング・ナンバー。この曲をライヴでは完璧に演奏するというのですから畏れいる。そしてこの曲のイントロが流れると大きな歓声が上がるそうですので、やはり印象的な曲として認知されているのでしょう。

革新的な彼らがビートルズと同じレーベル(パーロフォン)出身というのも不思議な因縁を感じさせます。