TODD RUNDGREN / Cold Morning Light

Something / Anything

Something / Anything

2月も終わりになると、まさに「三寒四温」という言葉がぴったりくる気候になってきます。「寒いんだけど、なんとなく春を感じる」という季節です。そんなときにぴったりなのがこの歌。トッドといえばマルチ・ミュージシャンとして、あるいはグランド・ファンクやミート・ローフXTCなどの傑作でも知られるプロデューサーとしても知られる人ですが、非常に美しいメロディーが書けるソングライターでもあります。この歌は美しいメロディーとしっとりとした叙情をたたえる隠れた名曲です。オリジナルは72年の2枚組「サムシング/エニシング」に収録されており、他にも「アイ・ソー・ザ・ライト」や「ハロー・イッツ・ミー」といった数少ないシングル・ヒットも収録されています。しかし、この歌の一番のポイントは歌詞。まだ肌寒いけれど早春の風景をうまく詠み込んでいます。少し歌詞を掲載します。


ひとりぼっちで過ごすくらいなら 自分だけの世界に引きこもっていたい

君のことなど忘れてしまいたいのに 毎晩君に救われる夢を見るよ

二人でハリウッドの海辺を散歩しているんだ

君があの頃のように僕と踊っている

 君と僕は仲むつまじい友達 僕らの恋は決して終わらない

 けれど 冷え冷えとした朝の光の中で僕は知る

 君が二度とここへは帰らないことを

君が残していった心の傷が 治りかけるたびその痒みに絶えられず

また傷口を開いてしまう

そうして僕は苦しみに屈し 心のままに空想に馳せるのさ 

二人で英国式にお茶を飲んでいるんだ 君は僕にやさしく微笑みかける 


「ハリウッドの海辺」「英国式にお茶を飲んでいる」なんてフレーズ、どうやって思いつくんだろう。ロマンチックでいいですね。