THE POLICE / Don't Stand So Close To Me

Zenyatta Mondatta

Zenyatta Mondatta


好きだったねぇ、ポリス。短い活動期間ではありましたが、彼らの音楽的変遷は3期にわけることができます。

Ⅰ レゲエ&ロック・ミクスチャー期…「アウトランドス・ダムール」からこの曲の入った「ゼニヤッタ・モンダッタ」まで。Aメロまではレゲエ調なのにサビになると8ビートに変わるパターンで、「ロクサーヌ」や「キャント・スタンド・ルージング・ユー」なんかはその典型。

Ⅱ エレクトロ・ロック期…「ゴースト・イン・ザ・マシーン」は過渡期の作品とされていますが、この時期のシンセを多用し、ドラムとベースによる複雑なリズムパターンのアレンジを施したこの時期は実に個性的。アルバム単位ではこの時期が一番好きです。

Ⅲ ワールドミュージック&ロック期…「シンクロニシティ」に至ってはⅠ&Ⅱの集大成的な個性溢れるポリス・サウンドを聞かせます。3人の自作曲もどこか国籍不明で、フォロワーが出ないのももっともな話。

一般には初期のファンはⅠを、「見つめていたい」のファンはⅢをポリスのイメージとして持っているでしょう。私のような完全後追いファンは、Ⅰ=Ⅱ=Ⅲとは思えない(辛うじてスティングの声でイメージ統一している)ので、別物として楽しんでいます。「ロクサーヌ」や「孤独のメッセージ」、「マジック」「見つめていたい」もいいのですが、私にとってはやはりこの「高校教師」。静かなイントロ部のギターのカッティングが実はレゲエのリズム・パターンになっているところがまた憎い! そして段々と高くなるスティングの多重コーラス。カウンターメロディーも見事で、曲の完成度はずば抜けて高いと思います。ちなみに本作が入っている「ゼニヤッタ・モンダッタ」は、ポリスのオリジナル・アルバムの中でも最もロック色の強いアルバムだと思います。お楽しみを。