CAROLE KING / Song Of Long Ago

Music

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キャロル・キングの代表作といえば、70年に発表された「つづれおり」。この大ヒット作がまだチャート上位に入っているうちに発表されたのが「キャロル・キング・ミュージック」。マーヴィン・ゲイに触発され、シングルで大ヒットした「私のお兄さん」、同じくシングルヒットした「スウィート・シーズンズ」、カーペンターズもカバーした「しなやかな冬の若木の小枝にようになりたい」(なんじゃ、この邦題は)と、この時期の彼女の創作力がいかに充実していたかがわかる絶好調さ。

今回紹介するのは、その充実作からもっとも短い(2分44秒)の小品にして極上のメロディーとコーラスを持った曲。シンプルなピアノとアコギに、これまたささやかなオーケストラが絡む一品。調べてみるとギターとコーラスはダニー・コーチマーとジェームス・テイラーという強者を従えているわけで、悪いわけがない。めくるめく展開はまさにポップの万華鏡で、Aメロ・Bメロ・Cメロまであるところにビートルズ登場前の一流ソングライターとしての矜持がうかがえます。この曲はさらに歌詞もいい。かつてはゲイリー・ゴフィンが歌詞を担当していましたが、なかなかどうして彼女の作詞力も大したものです。

キャロル・キングは以後、「喜びは悲しみの後に」(72年)、「ファンタジー」(73年)、「喜びに包まれて」(75年)、「サラブレッド」(76年)とヒット・アルバムを連発しますが、やはりこの時期のキャロルは絶品です。