SUZANNE VEGA / Language

Solitude Standing

Solitude Standing

洋楽を好む人間は、メロディに乗った英語の語感にも魅力を感じているのですが、それは一方で歌詞の軽視にも繋がっています。たとえば長渕剛だとか尾崎豊、最近なら浜崎あゆみが挙げられるでしょうが、彼らの根強い人気の理由に「共感できる歌詞」があることは否定できません。果たして洋楽で、このアーティストの歌詞が好き、と挙げられる人がどれくらいいるでしょうか。

そんななかで、私が歌詞までじっくりと関心をもって味わったアーティストというのはボブ・ディランでもジョン・レノンでもなく、このスザンヌ・ヴェガが最初でした。彼女がシーンで注目を浴びたのはご存知の通り名曲「ルカ」が最初ですが、そのときは彼女の清楚な佇まいや歌声、優しいアコースティックなアレンジにひかれただけでした。ところがアルバム「ソリチュード・スタンディング」はどの曲も印象的な歌詞を持っており、当時多感な高校生だった私は感動したものです。

中でもこの「ことば」という作品は、古くはサイモン&ガーファンクルの「スカボロー・フェア」で聞かれた対位法をうまく使った作品で、その部分もうまく歌詞をかけあいにした凝った作品。しかしあくまで曲自体はいつものスザンヌ節。歌詞の内容はここでは引用しませんが、素晴らしい作品です。ちなみにこの曲が収録された「ソリチュード・スタンディング」はセカンドですが、1st「街角の詩」もおすすめです。