THOMPSON TWINS / You Take Me Up

Into the Gap

Into the Gap

一時期大好きだったのがこのトンプソン・ツインズ。色男とリズム感バリバリありそうな黒人とかっこいい女性パーカッショニストの3人組というルックス的にも見栄えがするトリオでした。もともとは7人組という米米クラブのような大所帯バンドで、「イン・ザ・ネーム・オブ・ラヴ」のディスコ・ヒットもあるわけですが、彼らが本当にブレイクしたのは3人組になってからで「ラヴ・オン・ユア・サイド」「ライズ」、そしてアルバム「イントゥ・ザ・ギャップ」からこの曲や「ホールド・ミー・ナウ」「ドクター・ドクター」「シスター・オブ・マーシー」などのヒットを連発しています。

今回取り上げた「ユー・テイク・ミー・アップ」は一連のヒット曲の中では地味なものになりますが、彼らの金太郎飴的ポップの代表作。とにかく楽しいアレンジ、ドラマティックなサビの盛り上げ方は実は非常に日本人好みなものです。ヴォーカルで「色男」担当のトム・ベイリーははっきりいってヘタウマなのですが、ソングライターとしての才能はもっと認められてもいいと思います。とはいえ、当時の彼らの快進撃はやはり3人組であったからこそ。のちに黒人ベーシストのジョー・リーウェイが脱退すると彼らの人気も低下していったのも当然のことだったと思います。とにもかくにもこの曲が収録されたアルバム「イントゥ・ザ・ギャップ」は80年代を代表するポップ・アルバムの大傑作。

その後もゴスペル風味の「レイ・ユア・ハンズ」、ヒットこそしなかったけれどいいメロディをもった「ナッシング・イン・コモン」(映画主題歌)などの傑作も多いので、とりあえずベスト盤から聴いてみるのもよいでしょう。