KRAFTWERK / The Man-machine

Man Machine

Man Machine

全英・全米ともに9位を記録したアルバム「人間解体」(ナイス邦題)のタイトルナンバー。アルバムとしてはその前作「ヨーロッパ特急」の方が好きですが、テクノポップとしての影響力としては「ロボット」や「モデル」といった曲を収録した本アルバムの方が上でしょう。

タイトル曲はテクノポップにねちっこいグルーヴ感を与えた不朽の名曲。英・米主導のポピュラー・ミュージックに大きな影響を与えたアーティストの一つがドイツからだったとは実に皮肉。ジャケットも見てのとおり、ロシア構造主義(?)をパロったセンスの良さ。アメリカ以上にイギリスで受けたのはこのあたりのスタイリッシュな感覚もあってのこと。

YMOと何かと比較されますが、クラフトワークの方がバックがスカスカ(意図的)。そこにグルーヴを見つけたのがアフリカ・バンパータを代表とするヒップホップ系のアーティスト。加工しやすいというのもミソだったのかもしれません。

彼らの場合、名が知れているのが「アウトバーン」のため、最初にこれを聴く人も多いと思うのですが、もし初めて聴くのなら、「ヨーロッパ特急」、そして本作、続く「コンピュータ・ワールド」あたりが耳あたりが良くていいのではないかなと思います。間違っても「放射能」「エレクトリック・カフェ」から聴かないように(意味深)。