PAUL HARDCASTLE / King Tut

motogakusei2004-10-06


日本の洋楽ファンには小林完吾アナウンサーによる吹き替え盤も懐かしい「19」。ベトナム戦争を真っ向から捉えたルポルタージュ・ミュージックともいうべき大ヒット曲ですが、やはりこういう題材のものはアメリカでなくイギリス出身のポール・ハードキャッスルによって書かれたというのは象徴的。

ところで、熱心なブリティッシュ・ファンはこの「19」よりも彼の作るインストゥルメンタル・エレポップに注目してきました。特にこの「キング・タット」。独特の憂いに満ちたメロディラインとクールなシンセサウンドがかっこいいまさに隠れた名曲。意外にもこの曲は85年のビルボードR&Bチャート(!)34位にランクされたそうです(これは後になって知った)。

日本においては「19」の完全盤である「19/ファイナル・ストーリー」というミニ・アルバムの中で紹介されたのが最初のはずで、のちにアルバム「マイクロチップに愛をこめて」にロング・ヴァージョンが収録されました。実はそのミニ・アルバムを手離してしまい、再入手を図ったもののずっと見つからずにいました。そしてようやく10数年ぶりにアルバム(CD,これもかなりレア)を発見し、以後現在まで愛聴盤になっています。

ポール・ハードキャッスルは後にジャズマスターズやキッス・ザ・スカイなどのプロジェクトでもヒットを飛ばし、なかなかどうして一発屋という一般イメージとは裏腹に活躍を続けています。