MICK KARN / Tribal Dawn

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ミック・カーンのソロ作品は以前からずっと興味があったものの、それこそ今年になってようやく聴く機会ができました。それまではウルトラヴォックスのミッジ・ユーロとのシングル「アフター・ア・ファッション」(超名曲!)くらいだったんですが。

ジャパンの頃から特徴的なフレットレス・ベースを聞かせ、サックスやパーカッションなど元々がド素人ゆえにポップミュージックでは異質な楽器に挑戦してきた彼だけあり、初のソロ作「タイトルズ」(当時の邦題「心のスケッチ」)はなんとも摩訶不思議な作品となったのは予想通りではありました。

今回紹介する「トライバル・ドーン」はスティーヴ・ジャンセン&リチャード・バルビエリのジャパン・コンビが参加したフリーフォームなインスト・ナンバー。あの独特なベースがぶんぶん唸る曲です。リズムもあるのかないのかわからない(このあたりはスティーヴの貢献度も高い)ところが予定調和でなくておもしろい。

後期ジャパン、特に「サン・オブ・パイオニアーズ」や「ライフ・ウィズアウト・ビルディング」あたりの感触が好きな人にはおすすめです。デヴィッド・シルヴィアンのソロ作になんとなく物足りなさを感じるのはやはりこのベースだとつくづく実感。ジャパンが20年を経てもいまだに新しく感じるのはやはりデヴィッド&ミックの個性ゆえ。そしてそれを支えてきたジャンセン&バルビエリのテクニックなのです。