CLARK DUTCHLER / Drowing My Sorrows

motogakusei2004-10-03


「シャタード・ドリームス」「反逆のヒーロー」などのヒット曲を生んだジョニー・へイツ・ジャズはデビュー・アルバム発表後あっさりとリードシンガー&ソングライターのクラーク・ダッチェラーが脱退します。所属していたヴァージン・レコードも彼らには大きな期待を抱いていたはずですが、それは私のようなファンも当時はがっかりしました。脱退後すぐにクラークはソロ・アルバム「レインダンス」を発表します。XTCのデイヴ・グレゴリーやAOR系アーティストのセッションで引っ張りだこのポール・ジャクソンJr.やネイザン・イースト、マイケル・ランドウ、ジェリー・ヘイなど名うての名手が揃った超高制作費で作られたアルバムでしたが、まったく売れませんでした。参加メンバーからも分かるようにジョニー・へイツ・ジャズの頃よりもややAOR寄りの音と極上のメロディが絡むまさにイギリス産の大人のポップスで、なぜ売れなかったのかが不思議なくらいの作品なのですが。

中でもこの「愛の鼓動」は淡々とリズムキープするピアノが印象的な作品でありながら、きっちりポップな傑作で、中間部のデイヴ・グレゴリーによるギター・ソロも印象的な作品。もともとクラークはキーボーディストなので、この曲は彼の典型的な作品なのですが、個人的にはあの「シャタード・ドリームス」と同じくらいの名曲だと思います。残念なことに本アルバムは廃盤ですが、中古で見つけたら即ゲットしましょう。イギリス好きにはたまらない極上のチョコレートのようなアルバムです。