INXS / The Loved One

Kick

Kick

アルバム「リッスン・ライク・シーヴズ」からのセカンドシングル「ホワット・ユー・ニード」のPVを見たときの強烈な印象は忘れられません。元々「オリジナル・シン」などかっこいいPVが多い彼らですが、この曲のPVのかっこよさ、そして疾走感溢れるサウンドとヴォーカルに一発で好きになったものです。そして続くアルバム「キック」。シングル「ニード・ユー・トゥナイト」が全米1位になり、いよいよ全盛期を迎えた勢いを感じるアルバムでした。しかしこのアルバムで最初に好きになったのは当時アナログのA面の最後にあった「ザ・ラヴド・ワン」。ブルースっぽいロッカバラードはじりじりと心の底に迫ってくる好トラックです。で、この曲は実は彼らがブレイクするずっと前にシングルのみで発表された曲のリメイクだったそうで、アルバムには後の「グレイテスト・ヒッツ」まで聴く機会がありませんでした。
グレイテスト・ヒッツ

グレイテスト・ヒッツ

オリジナルの方はチープなシンセが流れる普通のポップ。「キック」ヴァージョンの圧勝という感じです。初期の彼らはニューウェーヴ色が強く、オーストラリア出身のどこか垢抜けなさがありましたが、名匠クリス・トーマスがプロデュースしだしてからはドアーズとストーンズの良いところをくっつけたようなオリジナリティが出てきました。久々に「キック」を聴きましたが、やはり良いアルバムです。それにしてもマイケル・ハッチェンスの夭折は痛い。稀有なヴォーカリストだったんですが。