THE ISLEY BROTHERS / If You Were There

3+3

3+3

80年代ブリティッシュ・ポップ・ファンにとっては、ワム!がカバーしたことでも知られる曲。結構忠実にカバーしているんですが、私はこちらのオリジナルも大好き。山下達郎がこの曲のオマージュとして「DOWN TOWN」を作った(後にEPOがカバー)ことでも知られるクロスオーバー時代のアイズレーズの屈指の名曲。

とにかく聴けばわかる、非常にわかりやすい誰からも愛されるポップのお手本。アイズレーズはビートルズもカバーした「ツイスト&シャウト」に代表されるシャウト時代、ロッド・スチュワートのカバーで知られる「ジス・オールド・ハート・オブ・マイン」のモータウン時代、Tネック・レーベルを立ち上げ、第二世代(このアルバムのタイトル「3+3」で示されるように、若手組3人が加入した)が入ってからのクロス・オーバー時代、究極のベッドタイム・ミュージック「ビトウィーン・ザ・シーツ」(邦題「シルクの似合う夜」)の以降のメローなブラコン時代と、どの時代を聴くかによってまったく評価が異なる複雑な歴史を持ちますが、このクロス・オーバー時代(CBSの戦略でアース・ウィンド&ファイア同様、彼らもポップチャートでもブレイクを期待された)は最も人気が高く、特にイギリスのアーティストに愛された時代でもあります。

ポール・ウェラーパワー・ステーションもカバーした「ハーベスト・フォー・ザ・ワールド」もこのクロスオーバー時代。私は「イフ・ユー・ワー・ゼア」の収録されたこの「3+3」こそが彼らの最高傑作だと思います。ブラック系が苦手だという人にも間違いなく受け入れられる傑作。この曲を聴くと、ワム!にはまっていた中学生時代の生活を思い出します。ワム!のヴァージョンを聴いても思い出さないのに。人間の感覚とはかくも不思議なものですね。