ERIC CLAPTON / I Shot Sheriff

461 OCEAN BOULEVARD

461 OCEAN BOULEVARD

ブルース大好きのクラプトンなので、カバー曲は数々あれど、その中で大ヒットしたのがこの「アイ・ショット・ザ・シェリフ」。かのボブ・マーリー大先生の名曲。クラプトンには個人的にあまり思い入れがないので(ファンの方、すみません)、なぜ彼がこの曲をカバーしたのか知りませんが、ドラッグでヨイヨイ状態から復活したアルバム「461オーシャン・ブルーバード」の中でも印象的な曲となっています。


ところが、実はボブのファンからするとこのクラプトンのヴァージョンはイマイチどころかイマサンくらいのもんだそう。で、後にボブのオリジナルも聴いてみましたが、クラプトンのカバーの方が洗練されているくらいで、実は違いがそんなにあるとは思えませんでした。つまりクラプトンは非常に忠実にカバーしていたわけで。

これもあとでわかったことですが、この曲、歌詞が非常に強烈。それはボブをとりまく環境(国の状態)に起因するもので、レゲエが「レべル・ミュージック」(反逆の音楽)として発展してきたことに思いを馳せざるを得ません。この歌詞ももとは「シェリフ」(保安官)ではなく「ポリス」(警官)であったことはよく知られていますが、実際に「ポリス」に置き換えてみるとそのメッセージの重さを感じます。クラプトンのヴァージョンにそういった緊迫感がない、というのがボブのファンの言い分ですが、そいつは仕方ないでしょう。逆説的ですが、クラプトンが取り上げたからこそ、ボブのメッセージが広まった側面があることは否定できない事実だと思います。

Legend (New Packaging)

Legend (New Packaging)

というわけで、今月はカバーナンバーの特集。第一弾は超有名曲となりましたが、次回以降はちょっと地味な名カバーも取り上げてみますのでお楽しみに。