CROWDED HOUSE / Private Universe

Together Alone

Together Alone


結果として彼らの最終作となったアルバム「トゥゲザー・アローン」は確かにバンド・サウンドとしては最終形であったように思われます。ビートルズ、あるいはバーズあたりの影響が強い彼らの音楽性に、独特のエバーグリーンさを加味してきたのはプロデューサーのミッチェル・フルームとエンジニアのチャド・ブレイクの手腕でしたが、本作では曲そのものにコンテンポラリーな感覚を持ちこもうとしていました。そこで手を組んだのがなんとキリング・ジョークのユース。結果としては実に力強いものとなりました。

その中でアコースティックにしあげたこの「プライベート・ユニバース」は彼らの最高傑作の一つです。その美しいメロディ、タイトルどおりの浮遊感のある音処理とアレンジは実に印象的。しかしこの曲で一番好きなのはサビの歌詞。あまりに自然にメロディと一体化しており、最初からこの言葉しかあてはめようがなかったのでは?というくらい自然な流れがあります。そういう曲は意外に少なくて、思いつくのはビートルズの「アクロス・ジ・ユニヴァース」くらい。どちらもタイトルに「ユニバース」が入っているところになんとなく不思議な符合を感じさせます。

なおこの曲の別ヴァージョンが「アフターグロウ」という未発表曲集に収録されており、こちらも必聴です。

Afterglow

Afterglow