BRUCE SPRINGSTEEN / Because The Night

Live 1975-85 (3 Cds in Double Jewel Case)

Live 1975-85 (3 Cds in Double Jewel Case)

オリジナルは、ニューヨーク・パンクの女王:パティ・スミスが78年にヒットさせたもので、この曲はスプリングスティーンと彼女との共作。
言わずと知れた名曲なんですが、もう一人の作者版であるスプリングスティーンのヴァージョンは、86年の3枚組ライヴ盤が初出。元が名曲なのでどう料理しようがいい曲なんですが、私個人としてはパティ版よりもこちらのライヴ・ヴァージョンの方が圧倒的に好きで、イントロのピアノが流れ、観客がわっと盛り上がるところからこちらももう鳥肌モノ!
ブルースの曲は「ザ・リヴァー」「涙のサンダー・ロード」「ネブラスカ」「マイ・ホームタウン」とストーリー性のあるものが多く(というかそれだらけ)、曲の展開がドラマティックなところが凡百のアメリカン・ロックと違って私の好みなわけですが、とりわけこの「ビコーズ・ザ・ナイト」はドラマティックな展開にめまいがします。
ブリティッシュ好きな私でも彼の詩作と曲は非常に心打たれるものが多く、「アメリカン・ロックの良心」というキャッチはダテではないと素直に感じるわけです。ちなみにこの曲の収録された3枚組ライヴは、あの「ボーン・イン・ザ・USA」の大ヒット後に出たそれまでのブルースのキャリアの総括ともいえる大傑作ライヴで、長いにもかかわらずあっという間に聴ける名盤。選曲もそれまでのべストといえる内容なので、もし中古で発見したら買うべし。