NEIL YOUNG / The Needle And The Damage Done

Harvest

Harvest

アーティストとしての生き様として、非常に興味深い人というのが何人かいます。ニール・ヤングもその一人。バッファロー・スプリングフィールドからソロへ、そしてCSN&Yまで、さらにクレイジー・ホースを率いてグランジの元祖という長いキャリアは、様々な切り口で語ることができますが、一般にはやはりアルバム「ハーヴェスト」、シングル「孤独の旅路」が大ヒットしたシンガーソングライター然とした72年の時期の人気が高いようです。
かくいう私もこのアルバムからニール・ヤングを聴き始めたわけですが、当初の感想はキャロル・キングの「つづれおり」同様、地味だなぁとしか感じませんでした。しかし「つづれおり」がそうであったように、アレンジが地味でも元の曲自体がしっかりしているので、つい聴きたくなるんですね。
そこでDVD「ライヴ・エイド」に話が飛びますが、ライヴ・エイドではニールがこの「ダメージ・ダン」を演奏していました。それが実にいい感じなんですね。ところがそのときには「ハーヴェスト」を持っていたのに、この曲が収録されていたことを知らなかった(いかにいい加減に聴いていたかがバレる)のです。それでふと気づいてこちらのオリジナル・ヴァージョンを聴いてみると、なんとこの曲、ライヴ・ヴァージョンだったんですね。よって13年後のライヴ・エイドのときとほとんど変わらないパフォーマンスであったことにも感動しました。
この曲はタイトルからもわかるように、ドラッグをテーマにしたものですが、曲展開が非常にドラマティックにできていて、たぶんこの人以外には書けないタイプの曲になっています。後のCSN&Yでの「ヘルプレス」と同じタイプ。
ところで、ニールという人は、基本的にはソングライター&ギタリストとして認知されています。ヴォーカルはかなりクセがあるだけに好き嫌いが分かれるためでしょうが、私は好きですねー。ルックスはアレですが。