ORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK / Souvenir

motogakusei2005-07-03


エレポップ3連発!ということで、今回は通称OMDことオーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダークです。活動を始めて既に20年を超えるにも拘わらず、いまだにヒットを飛ばし続ける稀有な存在。生き残った理由は極めて単純で、アレンジがマニアックにならず、歌メロを活かすようにしていることでしょう。下記のヒューマン・リーグやヘヴン17が「素人ゆえの奇妙なアレンジメント」が魅力なのに対し、OMDは「歌メロを大切にしたささやかなバッキング」ということになるでしょうか。

彼らの代表曲というと「エノラ・ゲイの悲劇」と「イフ・ユー・リーヴ」が挙げられますが、この歌メロを活かすバッキングの傾向は一貫しています。

さてエレポップというと「バラードが苦手」という弱点があります。これはシンセ音のミニマル性を主体としたアレンジに由来するわけですが、ヒューマン・リーグはテリー&ジャムという天才ソングライター&プロデューサー・チームの助力によって「ヒューマン」という傑作をものにしました。しかしOMDは自力で、この「愛のスーヴェニア」という傑作をものにしています。ここがOMDらしさの所以とでもいいますか、彼らはエレポップ的な風情を出しながらその本質はソングライティングにあったと思うのです。せつないメロディ、それを支えるクールなバッキングが最高な彼らの初期の傑作バラードです。