FAIRGROUND ATTRACTION / Perfect

First of a Million Kisses

たった1枚しかアルバムを残さなかったにもかかわらず、妙に印象に残ったのが彼らのこの作品。イギリスでも大ヒットを飛ばしたシングル「パーフェクト」は爽やかなポップ・ナンバー。ドライヴの時は自然にのってしまう曲です。ヴォーカルはエディ・リーダーという女性で、表情豊かでポップな感性を持った個人的にも大好きなシンガーです。

曲が収録されたアルバム「ファースト・キッス」はジャケットも実におしゃれ。収録曲はそれとは反してドメスティックというか、フォーク、トラッド、デキシー、ジャズ、ワルツ、ボードヴィルなどの感覚がミックスされたバラエティのある作品に仕上がっています。80年代末のイギリスはマンチェスター・ブームに代表されるように暗く重い音が蔓延するなかで彼らの軽快なポップさは明るい光りだったんですが、あっけなくこの1枚で解散。彼らと同時期に登場したホットハウス・フラワーズにも共通性があり、イギリスのビート・ミュージックともう一つの流れであるブリティッシュ（もしくはアイリッシュ）トラッド・フォークは英国ファンなら一度は経験すべきでしょう。するとレッド・ツェッペリンにまでつながってくる、というのが英国ロックの奥深い面白さなのです。