LEVEL42 / Lessons In Love

Running in the Family

Running in the Family

エレポップ特集の最後を飾るのはレベル42。彼らの場合、エレポップというよりもエレクトロ・ファンク的なニュアンスが強いのですが、ファンクといってもヘヴン17のそれとは違ってより正統派です。元来がフュージョン系のバンドだったこともあって、エレポップ特有の不器用さを楽しむのとは違って、安心して聴ける音楽といえます。一般には85年の「サムシング・アバウト・ユー」の大ヒットで世に知られるようになりましたが、個人的にはこの「レッスンズ・イン・ラヴ」の甘酸っぱいようなメロディラインにひかれています。

ところでレベル42は前述のようにフュージョン系だったわけですが、そんな彼らのサウンドを支えていたのがベーシストのマーク・キング。彼のチョッパー・ベースのカッコ良さは「サムシング・アバウト・ユー」でもふんだんに聴けますが、彼はベーシストとしてのみならず、ヴォーカリストとしても実に渋くて上手い人です。「レッスンズ・イン・ラヴ」でのクールなヴォーカルも素晴らしく、もっと彼のそういう側面も評価されてもいいのではないでしょうか。彼らと似た傾向のサウンドを持ったバンドというのはいるようでおらず、かろうじてアプローチが似ているといえばカジャ(カジャグーグーから改名したバンド)のニック・ベッグスくらいしか挙げることができません。そういう意味ではなかなか貴重なバンドです。

彼らには「ホット・ウォーター」や「サン・ゴーズ・ダウン」などのいかにもな夏ソングがありますので、興味があればベスト盤でどうぞ。